オーストラリア政府が3Mを提訴した理由と日本のPFAS新基準

「オーストラリアで3Mが政府から提訴されたニュースを見ました。」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、 創業34年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
オーストラリア政府が3Mを提訴した理由
2026年5月28日、オーストラリア連邦政府が化学大手3Mに対し、20億豪ドル(約14.3億米ドル)を超える損害賠償を求めて提訴したと発表しました。これは同国史上最大規模の訴訟とされています。
The federal government is seeking $2 billion in damages from 3M and 3M Australia, alleging the company withheld the results of its own testing that showed significant adverse environmental effects.
It is the largest legal claim ever brought by the Commonwealth.
(訳:連邦政府は、3Mおよび3Mオーストラリアに対し、同社が自社のテスト結果(重大な環境への悪影響)を保留したとして、20億ドルの損害賠償を求めています。それは、英連邦が提起した中で最大の法的請求です。)
ABC News 「Federal government to sue 3M Australia over firefighting foam that contained PFAS」より引用
The federal government is suing Wall Street giant 3M Company for more than $2 billion in an unprecedented legal claim for damages over the contamination of dozens of communities across Australia with toxic “forever chemicals”.
Announcing the action in the Federal Court of Australia on Thursday, Attorney-General Michelle Rowland levelled a series of extraordinary allegations against the global chemicals maker, accusing it of engaging in a cover-up over the effects of its per- and polyfluoroalkyl chemicals (PFAS), which were used for decades by the Department of Defence.
(訳:連邦政府は、ウォール街の大手3Mカンパニーに対し、オーストラリア全土の数十のコミュニティが有害な「forever chemicals」で汚染されたことに関する前例のない損害賠償請求として、20億ドル超の訴訟を提起しています。オーストラリア連邦裁判所で木曜日に訴訟を提起したミシェル・ロウランド司法長官は、同国に対し、世界的な化学メーカーに対し、数十年にわたり防衛省が使用してきた過フッ化アルキルおよびポリフルオロアルキル系化学物質(PFAS)の影響を隠蔽しているとして、一連の異例の告発を行った。)
Sydney Morning Herald 「Government launches bombshell $2 billion lawsuit against 3M Company」より引用
【シドニー時事】オーストラリア政府は28日、有機フッ素化合物「PFAS」を含む消火泡による環境汚染を巡り虚偽の説明をしたとして、製造元の米工業・事務製品大手スリーエム(3M)を相手取り、20億豪ドル(約2300億円)以上の損害賠償を求める訴訟を豪連邦裁判所に提起した。豪政府が起こした民事訴訟では過去最大規模となる。
ローランド法相は記者会見で、PFASを含む消火泡が豪軍基地28カ所で過去に使用され、汚染された周辺環境の原状回復や住民への補償に国費を投じたと説明。その上で「3Mは環境への影響を把握していたにもかかわらず、十分公表しなかった」などと主張した。
時事通信 「豪政府、消火泡汚染で米3M提訴 2300億円請求、過去最大」より引用
提訴の主な理由は、3Mが自社試験でPFAS含有泡消火剤の「重大な環境影響」を把握しながら、「生分解性で安全」「毒性がない」と虚偽の表示を行い、情報を隠蔽していた点です。実際には28の国防軍基地で土壌や地下水が広範囲に汚染され、周辺地域の飲料水や農地にも影響が及んでいました。
オーストラリア政府はこれまで、調査・浄化費用だけで13億豪ドル以上、住民への和解金だけで4億800万豪ドル以上を負担してきました。今回の提訴は、その全額を3Mに請求するものです。
「すごい金額ですね…。日本でも同じような企業が提訴されるような問題はあるんですか?」
世界と日本で進む企業責任の追及
日本でも同様の問題が表面化しています。大阪府摂津市にあるダイキン工業の淀川製作所周辺では、PFASの一種であるPFOAが検出され、住民約1,100人が公害調停を申し立てました。
ダイキン工業の淀川製作所(大阪府摂津市)周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の一種「PFOA」が検出されたことを受け、地元住民ら約300人が26日、公害調停を府公害審査会に申し立てた。
2025年12月の第1次申請に続く申し立てで、申立人は計約1100人となった。住民側の弁護団によると、7月1日に1回目の調停が開かれる予定。
日本経済新聞 「ダイキン工場のPFAS検出、7月に住民側と初回調停 申し立て1100人に」より引用
このように、世界各国で「長年使用されてきたPFASの責任を企業に問う」動きが加速しています。そして日本では、2026年4月から水道水のPFASに関する水質基準が正式に義務化されました。
「義務化されたんですね。具体的にはどういうことですか?」
2026年4月から始まったPFAS水質基準義務化とは
2026年4月1日、環境省の省令改正により、PFOSおよびPFOAの合計値が水道水の水質基準項目に追加されました。基準値は1リットルあたり50ナノグラム以下です。
これにより、全国の上水道事業者および簡易水道事業者に対して、以下の義務が課せられました。
- 3ヶ月に1回の定期検査の実施
- 基準値の遵守
- 検査結果の記録・報告・公開
これまで任意だった検査が、法律で義務化されたことで、水道水の安全性に対する透明性が大幅に高まります。
「検査で基準を超えたらどうなるんですかね。」
日本全国で起きている多くの実例
義務化前から、すでに日本各地でPFASの汚染が確認されています。直近では埼玉県熊谷市です。
2025年5月、熊谷市は妻沼地区の防災設備会社「能美防災妻沼東事業所」周辺の地下水調査結果を公表しました。調査した井戸11カ所のうち5カ所で、国の指針値(50ng/L)を大幅に超過。最大で1リットルあたり2,100ng/L(指針値の42倍)が検出されました。
調査は問題発覚を受けて、当初設定した主に敷地の南東側半径500メートル圏内で、新たに判明した井戸を対象に、4月25日と5月7日に実施。超過は指針値の42倍となる1リットル当たり2100~63ナノグラムだった。指針値を超えた井戸は北東側にも分布しているのを確認し、汚染が北東から東南東方向へ扇状に広がっていることが判明。
NEWSjp 「埼玉で“PFAS”大幅に超過 42倍の濃度」より引用
汚染は北東から東南東方向へ扇状に広がっており、事業者はPFAS処理装置を増設して対応しています。現在は排水濃度が大幅に改善していますが、周辺の追加調査が継続されています。
このような事例は、2026年4月からの義務化によって今後さらに明らかになる可能性が高いと考えられます。
「もう日本全国レベルの話になっていますよね。」
検査で基準値を超過したらどうなるのか
水道水でPFASの基準値を超過した場合、水道事業者には以下の対応が義務付けられます。
- 速やかに都道府県へ報告
- 原因調査の実施
- 水源の切り替えや浄水処理の強化(活性炭の追加など)
- 住民への情報提供
特に中小規模の水道事業者にとっては、検査コストや施設投資の負担が大きくなります。環境省はガイドラインや一部支援を用意していますが、最終的な費用は事業者が負担することになります。その結果、将来的に水道料金への影響が出る可能性も指摘されています。
「結局、負担が住民に来るんですね…。私たちにできることはありますか?」
この義務化が私たちの生活に与える影響
2026年4月からの義務化により、検査結果が公開されやすくなり、地域ごとの水質状況がより明確になります。一方で、水道事業者の負担が増えることで、水道料金に反映される可能性も現実味を帯びてきました。
汚染のリスクを負うのも、対策の費用を負担するのも、最終的に住民であるという構造は変わりません。このような状況の中で、ご自宅の水をより安心して使いたいと考える方が増えています。
「自宅でできる対策って、具体的にはどんなものがあるんですか?」
では、私たちはどう備えればいいのか
PFAS除去に活性炭が有効という公式見解
PFAS(有機フッ素化合物)の除去については、環境省の資料や複数の研究機関の報告で、活性炭が有効であることが既に明らかになっています。特に高機能な粒状活性炭は、PFOSやPFOAなどの物質を吸着して除去する性能が確認されており、水道事業者でも浄水処理の強化策として活用されています。
PFAS対策に浄水器は有効?除去対策の効果を解説活性炭を使った浄水器を設置するという選択肢
このような背景から、ご自宅でPFAS対策を考える場合、活性炭を主とした浄水器を設置するという方法が現実的な選択肢の一つとして挙げられます。蛇口直結型や据え置き型の浄水器でも一定の効果が期待できますが、毎日使う水の量や用途を考えると、どこまで対応できるかは商品によって異なります。
家全体を大元から浄水したい場合

一方で、「飲用だけでなく、お風呂や洗濯、トイレまで家全体の水を安心して使いたい」というご要望も多くあります。
水道水にはPFASだけでなく、水道管の老朽化による赤錆や、残留塩素の影響など、さまざまな課題が存在します。こうした複数の課題に総合的に対応するためには、水道メーターの直後で家全体の水を浄水するセントラル浄水器という選択肢があります。
弊社がご提供するセントラル浄水器『ソリューヴ』は、活性炭を主とした大容量フィルターを採用しており、PFASの除去性能試験でも高い結果を出しています。家全体をまとめて浄水できるため、飲用はもちろん、お湯やお風呂、洗濯まで幅広く対応可能です。
収束したけど原因不明…亀山市12日間濁り水 老朽化20年超でも「問題なし」だった水道管 沖縄断水からみえる全国共通の課題
「やはり浄水器ですか。活性炭がPFAS除去に効果的ということなんですね。家全体の浄水ですか。初めて知りました。確かにこうなってくると、最早飲み水だけの浄水ではないですね。」
「いかがでしたか。オーストラリア政府のPFASに関する企業提訴の理由と日本のPFAS新基準について解説しました。」
「はい。よく分かりました。」
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