観測史上最長の雨。なぜ道路は冠水し、水道は濁るのか

「雨がずっと続いて、道路が冠水したニュースをよく見ます。水道水が濁ることはあるのでしょうか。」
「気になりますよね。雨の話と、水道の話を分けて解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、 創業35年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
観測史上最長の雨
2026年9月30日、ウェザーニュースは東京都心の連続降水について、こう報じています。
東京都心では今日30日(水)も朝から雨が降り、連続降水日数が35日に達しました。昨日29日(火)に更新した観測史上最長記録を更新し、さらに1日のばしています。
ウェザーニュース 「東京で35日連続の降水を観測 昨日に続き1876年以降の統計史上最長記録を更新」より引用
記事によると、8月27日から続く雨で、29日の時点で2019年6月27日から7月29日までの33日間を上回り、1876年以降の統計で最長になった、としています。9月は毎日、降水を観測したことにもなっています。日数は、この記事が出た時点の数字です。その後も雨が続けば、記録はさらに伸びます。
この長雨は、秋雨前線と、相次いだ台風が重なった天気です。毎日少しずつ降った日と、短時間に大量に降った日が、同じ期間に入っています。
「一か月以上、雨の日が続いたんですね。ニュースで見る冠水は、そのうちの激しい日の話なんですね。」
線状降水帯とは、同じ場所に雨がとどまる現象です
この長雨の間よく見聞きした「線状降水帯」というのもどういう現象なのでしょうか。台風や大雨のニュースで繰り返し出るので、知っているようで、中身はあいまいなままの人も多いはずです。気象庁は、次のように説明しています。
線状降水帯は、次々と発生した積乱雲により、線状の降水域が数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞して大雨をもたらすものです。
発達した積乱雲が列になり、長さ50〜300km程度、幅20〜50km程度の強い雨域になるとも書いています。台風は、大きな渦を持った低気圧です。線状降水帯は、その渦全体ではなく、雨雲がほぼ同じ場所に居続ける形です。毎日降り続く長雨とも違います。数時間、同じ地域に強い雨がかかるので、川や道路の水が一気に増えます。冠水のニュースと一緒にこの言葉が出るのは、そのためです。
「台風そのものではなく、雨雲が同じ場所に居続けることなんですね。」
道路が冠水するのは、雨を流す管がのみきれないときです
道路に水が溜まるのは、降った雨が、側溝や下水道に入りきらないときです。東京都下水道局は、下水道管は汚水だけでなく雨水も流している、としたうえで、区部では1時間50ミリの降雨に対応できるよう施設を整備している、と書いています。浸水の影響が大きい地区では、1時間75ミリへの対応も進めています。市町村によって、整備のしかたは違います。
参照:東京都下水道局 浸水への備えを万全に!
道路の雨は、側溝の集水口(雨水ます)から下水道管へ落ちていきます。1時間に50ミリを超える雨や、短い時間に同じ量が集中すると、管の中が水でいっぱいになります。ますに入っても先へ流れていかず、行き場を失った雨が道路に残ります。管の中の水が押し戻されると、マンホールから噴き出すこともあります。地面がすでに水を含んでいると、少ない雨でも溢れやすくなります。
ニュース映像に出ているのは、この雨水や下水です。ふだんは地面の下へ消えている水が、濁ったまま表に出てきています。水道と下水道が別だと知らないと、あの水が蛇口にも関係するのではないか、と不安になります。通っている管は別です。道路に出た水が、そのまま蛇口から出ているわけではありません。
「道路の水と、蛇口の水は、管が違うんですね。」
水道水も、濁ることがあります
井戸の濁りと、水道の濁りは、意味が違います。井戸は、浄水場を通る前の地下水に近い水です。雨が地表からしみ込むとき、その土地の土が混ざれば、汲んだ水そのものが濁ります。
水道は、川や地下水を浄水場で処理してから、家へ送ります。ふだんの蛇口が透明なのは、そのためです。それでも、処理したあとの水が、途中で濁って蛇口に着くことはあります。道路の冠水とは別の理由です。
出どころは、大きく四つです。
川の水が、取水の段階で濁る
東京都水道局は、川の濁りの主成分を、山の土砂などからくる粘土、としています。晴天時の利根川や荒川の濁度は5度前後でも、台風による豪雨時には最高で数千度に達する場合がある、とも書いています。令和元年10月の台風19号では、江戸川から取水している金町浄水場で、最高1200度を記録した、としています。浄水場は、凝集と砂ろ過で、この濁りを落とします。
参照:東京都水道局 水の濁り
処理が追いつかないときは、取水や配水を止めます。白老町は、2026年8月27日未明の大雨で起きた断水について、こう発表しています。
8月27日未明に発生した大雨の影響により、白老浄水場に濁水が混入し、浄水することができなくなったことが原因となったものであります。
濁水の対象は4,426世帯です。復旧のため浄水場を切り替えたとき、一部の地域で水道水の濁りが確認されその後は解消したとあるので、大雨で川や原水が濁ると、蛇口に届く前に配水を止めることと、復旧の過程で蛇口の水が濁ることがわかります。
道路の水道管の中で、サビが剥がれる
いったん透明になった水でも、水道管の内側のサビが剥がれると、蛇口で赤くなります。流れの速さや方向が変わったときです。工事、漏水の復旧、消火栓、停電でポンプが止まったときが、それにあたります。
2026年9月18日、浜松市中央区で上水道管が漏水しました。
復旧作業により広範囲にわたって水道水が濁る影響が出ており、市は家庭では濁りが解消するまで使用を控えるよう呼びかけている。
市は、耐震化のための管の交換工事中に古い管から漏水し、管を止めて復旧した、としています。管のつながりから断水にはならないが、水の流れが変わることで濁る場合があるともしています。
収束したけど原因不明…亀山市12日間濁り水家の中の管だけが、原因のとき
同じ赤い水でも、道路の水道管ではなく、家の給水管のサビであることがあります。朝一番や、長く使っていなかった蛇口に出やすいです。赤サビそのものの説明は、別の記事にまとめています。
【証拠あり】 浄水器で水道水の赤錆は除去できます白い濁りは、空気の泡であることが多い
白く濁って見えても、サビや泥とは限りません。水の圧力が急に変わると、溶けていた空気が細かい泡になります。尾張旭市は、流れている水の圧力が変化すると白く濁って見えることがある、としています。コップに取ってしばらく置き、下から透明になれば、空気です。置いても消えなければ、別の原因があるので、水道事業者に連絡する案内です。
参照:尾張旭市 水道水の濁りについて(原因・対応方法)
「なるほど。水道水が濁る原因は別のところにあったりもするんですね。」
家に届いたあとの濁りは、入口で受けられます

蛇口に着く前に受けられるのが、セントラル浄水器です。取り付ける場所は、水道メーターの住まい側、家に入った直後の給水管です。屋外に置くことがほとんどです。ここを通った水が、キッチン、洗面、お風呂、洗濯へ分かれます。管から剥がれたサビや、細かい粒子は、それぞれの蛇口に着く前にフィルターを通ります。

お湯にも使えるのは、この位置のためです。蛇口の先に付ける浄水器は、フィルターにお湯を通すと消耗します。お湯そのものをろ過する形には、なっていません。セントラル浄水器は給湯器より手前にあります。お湯になる前の水をろ過するので、シャワーやお風呂も、浄水されたお湯です。フィルターに熱いお湯は通りません。

キッチンの蛇口だけに浄水器がある場合、お風呂と洗濯は、届いた水のままです。赤い水が洗濯物や浴槽を汚すのは、飲み水以外の蛇口にも、同じ水が来ているからです。家の入口で通しておけば、その蛇口も、ろ過したあとの水になります。
「家の大元につける浄水器は初めて知りました。入口で受けられるんですね。」
「いかがでしたが、観測史上最長の雨が続く中、多発する冠水や水道水の濁りなどの疑問についてを調べてみました。」
「はい。よく分かりました。」
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