浄水と水道水の違い。そのままの水と浄水器の水

「浄水と水道水は、何が違うのでしょうか。水道水も浄水場できれいにしているなら、家の浄水器は何をしているのか知りたいです。」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、 創業35年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
浄水と水道水
浄水とは
浄水とは、きれいにしたあとの水のことです。水道の話では、川やダム、地下水などの水源から浄水場に入り、濁りを落として送り出された水を浄水と呼びます。家の話では、その届いた水道水を浄水器で浄水したあとの水も、浄水と呼びます。
浄水場の浄水は、街の蛇口まで衛生的に届けるための水です。家の浄水は、届いた水道水を、飲む、炊く、風呂に入れるといった使い方に合わせて、もう一度浄水した水です。ペットボトルで買う水とも違って、もとにしているのは、その家の蛇口まで来ている水道水です。
浄水と水道水の違い
水道水は、浄水場を出て、公道の下の水道管を通り、家の中を経て、蛇口から出たままの水です。浄水器の水は、その水道水を家で浄水したあとの水です。コップに汲むと、どちらも透明に見えます。違いが出るのは、水の中に残しているものと、水道管や給水管を通るあいだに混ざったものが、使うときにそのまま出るか、一度濾過してから出るかです。
蛇口まで残るように入れてあるのは、消毒のための塩素です。コップで飲むとき、お米を炊くとき、お風呂のお湯を使うときに感じるカルキ臭は、残った塩素が水の中の成分や水温と重なって出るにおいです。浄水器で浄水すると残留塩素を濾過し、水道管や給水管から混ざった細かなものもフィルター側に残ります。
「確かに、両方とも『浄水』ですが、目的が違いますね。」
水道水は浄水場を通ってくる
家に届くまで
蛇口の水道水は、水源から浄水場を経て届く水です。水源の水には、そのままでは使えない微生物が混ざっています。浄水場で濁りや細かなものを落とし、消毒のための塩素を入れてから、水道管で各家庭まで運びます。いくつかの浄水場では高度浄水処理も行われ、においの元をさらに減らしています。それでも、家に着くまで消毒の効き目を残すために、塩素を入れて送り出すところは同じです。
塩素は、浄水場を出たあとも、水道管と給水管の中を進むあいだ消えないように入れてあります。水道法では、各家庭の蛇口(給水栓)で、遊離残留塩素を1リットル当たり0.1mg以上保つように塩素消毒をすることとされています。結合残留塩素の場合は、0.4mg以上です。届く前に消えきってしまうと、途中の衛生を守れなくなるからです。
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。
厚生労働省 「水道法第4条及び第22条等の関係について」より引用
残る量には幅があります。下限は蛇口で0.1mg以上と決まっていますが、上限値は定められていません。おいしい水の観点から、快適水質項目として1リットル当たり1.0mg程度という目標は置かれています。浄水場や配水池に近い家は、水道管の中を流れる時間が短いので濃度が高くなりやすく、遠い家は途中で塩素が消費されて薄くなります。古い水道管は塩素を消費しやすく、足りない区間では追加で塩素を入れる水道局もあります。東京都はおいしさの目標を0.4mg/L以下に置いていますが、浄水場に近い地点ではそれを超えて検出された年度もあります。地域の数字と、上限がないといわれる理由は、こちらの記事にまとめています。
残留塩素の基準値に上限がないは本当!?カルキ臭はなぜするか
飲むときや、お風呂のお湯で感じるカルキ臭は、残った塩素が水の中の成分と反応して出るにおいです。水源によっては、水の中のアンモニア性の成分と塩素が反応し、トリクロラミンができます。これがカルキ臭の主な原因の一つです。ほかにも、水の中の有機物と塩素が結びつくにおいがあり、お湯にしたときの立ち方や、入れる塩素の量も重なります。夏は消毒を強める地域があり、カビのにおいが別に重なることもあります。一つのにおいとして感じるのは、こうした条件が一緒に出るからです。
引っ越しで急ににおうのは、残っている塩素の量と、反応する水の中の成分が、前の土地と違うからです。
家の浄水器は、フィルターで残留塩素を濾過します。残留塩素を濾過すると、カルキ臭の出方も変わります。煮沸、半日ほどの汲み置き、レモンやお茶に含まれるビタミンCとの反応でも、塩素は少なくなります。いずれも飲み水や料理の一部には使えますが、湯船や洗濯機の水までは届きません。塩素が水の中の有機物と反応してできるトリハロメタンや、酸化による給水管の錆まで含めた説明は、こちらの記事に書いてあります。
【何が問題?】水道水の塩素と除去対策を徹底解説水道管と給水管を通るあいだに混ざるもの
蛇口の水は、浄水場を出たあと、公道の下の水道管と、水道メーターより住まい側の給水管を通って来ています。鉄の水道管や給水管が古い区間では、塩素の酸化もあって錆が進み、細かな赤錆やゴミが水に混ざることがあります。コップに汲んだ瞬間は透明でも、家や地域で濃さは違います。透明な水にも、そのあいだに混ざった分が乗っています。
一年使うと、新品では白かったフィルターがこのように色づきます。

赤く濁って出る日は、家の中の給水管だけが原因とは限りません。水道管の工事や流れの変化で、道路の下の錆が一時的に蛇口まで来ることもあります。そのときの水の見方は、こちらの記事で見られます。
【証拠あり】 浄水器で水道水の赤錆は除去できます
「透明なのに、一年分だとフィルターに色が付くんですね。想像と違いました。」
家でもう一度浄水する理由
浄水場が届ける水
浄水場は、病原菌を抑え、濁りを落とし、使う瞬間まで塩素を残した水を、街の蛇口まで届けるところです。どの家でも同じ水道水が使えるようにするためで、各家庭のコーヒーの味や、お風呂の湯気のにおい、洗濯で気になる水の感じまでを、家ごとに作り分ける仕事は入っていません。
家の浄水器が浄水する水
家の浄水器は、届いた水道水をもう一度浄水します。飲み水や炊飯でにおいを変えたいとき、シャワーやお風呂のお湯を変えたいときに使います。届いている水を、そのまま使うか、使う前に浄水するかを選ぶ装置です。
内閣府が令和2年10月に行った「水循環に関する世論調査」では、普段の水の飲み方を複数回答で聞いています。特に措置を講じずに水道水をそのまま飲んでいる人は、およそ4割です。大多数ではありません。ミネラルウォーターの購入、浄水器、煮沸も並んでいます。
特に措置を講じずに、水道水をそのまま飲んでいる 43.9%。ミネラルウォーターなどを購入して飲んでいる 33.9%。浄水器を設置して水道水をそのまま飲んでいる 28.0%。水道水を一度煮沸して飲んでいる 18.4%。
内閣府 「水循環に関する世論調査(令和2年10月調査)概略版」より引用
世代ごとの内訳や、調査の受け取り方は、こちらの記事に書いてあります。
【世論調査】水道水をそのまま飲む人が4割!?
「多くの人が、浄水器など水に関してなんらかの対策をとっているのがわかりますね。」
そのままの水と浄水器の水
水道水のまま使う人
蛇口の水を、コップにも釜にも湯船にも、そのまま使っている人はいます。においが苦にならない、冷やすと紛れる、土地によって薄い、という家では、飲み水と料理のために浄水器を足す理由が薄いです。
お風呂のお湯、シャワー、洗濯、洗面も、何も浄水していなければ同じ水道水です。カルキ臭も気にせず使っているご家庭はあります。
浄水して使う人
先ほどの調査で見ると、およそ6割は、水道水をそのままでは飲まず、自分で何らかの手を講じて水を使っています。浄水器で浄水してからカップや釜に入れる人、ミネラルウォーターやウォーターサーバーを買う人、煮沸してから飲む人がいます。どの手を選ぶかの違いです。
蛇口の先端に付けるタイプ、シンクの下に置くタイプ、水栓に内蔵されたタイプは、その蛇口の水を変えます。浄水した水は、残留塩素を濾過してからカップや釜に入ります。塩素はビタミンCなどの食品の成分を壊すので、料理やコーヒーの味を落とします。
キッチンの外まで変えるとき
蛇口の浄水器で変わるのは、その蛇口から出る水です。そこだけで済むご家庭は、キッチンまでで目的に合います。
お風呂のお湯、シャワー、洗濯機、洗面は、その蛇口を通りません。キッチンだけ浄水していても、お風呂のお湯と洗濯の水は水道水のままです。
「こうやって改めて見ると、毎日の水を意識して浄水器などを使っている人とそうでない人の違いがわかりますね。浄水器はキッチンのイメージがありますが、お風呂も浄水できるんですか。」
家に入る水ごと浄水する
風呂と洗濯まで同じ水にする
風呂と洗濯まで同じ水にするときは、キッチンの蛇口を増やすのではなく、水道メーターの住まい側で浄水します。家に入った直後に浄水し、その先でキッチン、洗面、お風呂、洗濯へ分かれていきます。朝のコーヒーも、シャワーも、洗濯機も、夜のお風呂も、同じ水です。
蛇口を一つずつ替えると、付けた場所だけが変わり、付けていない場所は水道水のまま残ります。入ったところで一度浄水すると、家の中で蛇口ごとに水を使い分ける必要がなくなります。フィルターはその家の水をまとめて受けるので、蛇口用より大きく、交換はその一台分です。
家全体浄水(家中・家ごと・家丸ごと)の基本とメリット【初心者ガイド】セントラル浄水器『ソリューヴ』
セントラル浄水器は、家の外、水道メーターの住まい側に付きます。ソリューヴはこの位置に付ける浄水器です。

本体はシンクの下には入りません。キッチンの水栓は、いま付いているものを替えずに使えます。蛇口の先端に器具を足すタイプとは、置く場所が違います。上から見ると、メーターの住まい側に本体が来ます。

キッチンの浄水器で熱いお湯を浄水すると、中の活性炭が傷みやすく、いったん捉えたものを離しやすくなります。ソリューヴは給湯器より手前にあります。浄水するのは、温める前の水です。シャワーやお風呂は、浄水した水をあとから温めたものになります。一年に一度、この一台のフィルターを交換します。交換したフィルターには、その一年に家へ入ろうとした細かな錆やゴミが残っています。蛇口側の浄水器と、この位置の違いは図のとおりです。

「お風呂のお湯やシャワーが浄水できるのはいいですね。」
「いかがでしたか。浄水と水道水の違いについて解説しました。」
「はい。よく分かりました。」
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