【千葉県】井戸水から高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)検出について調べてみた
「千葉県で井戸水から高濃度な有機フッ素化合物が検出されたことがニュースになりましたが…。」
「確かに気になりますね。では詳しく調べてみます。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
千葉県の井戸水からの高濃度の有機フッ素化合物が検出された問題とは
近年、環境汚染問題として注目されている有機フッ素化合物、特にPFOSとPFOAは、その有害性と持続性から世界的に規制の対象となっています。日本でも同様の規制が進められている中で、千葉県の鎌ケ谷市と柏市でこれらの物質が高濃度で検出され、大きな問題となっています。
千葉県柏市の水路から、有害性が指摘され、泡消火剤などに含まれている有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」が国の暫定指針値(合算で1リットル当たり50ナノグラム)を上回って検出された問題で、鎌ケ谷市は24日、この水路に近い井戸から、最大で暫定指針値の240倍にあたる1リットル当たり1万2000ナノグラムが検出されたと発表した。
毎日新聞 「井戸から国暫定指針値240倍の有機フッ素化合物 千葉・鎌ケ谷」より引用
有機フッ素化合物の「PFAS」のうち、有害性が指摘されている2つの物質について、千葉県柏市の井戸水から国の暫定目標値の最大30倍の濃度が検出されました。近くの水路では以前から国の値を上回る濃度が検出されていて、市などは原因を調べることにしています。
NHK「「PFAS」千葉 柏の井戸水から暫定目標値の最大30倍の濃度検出」より引用
「最近当たり前に有機フッ素化合物の検出されるニュースが流れるようになってきてますね。実際、もっと多くの地域であるのではないかと思ってしまいます。」
鎌ケ谷市の現状
2024年5月24日、千葉県鎌ケ谷市は、市内の井戸水からPFOSおよびPFOAが国の暫定指針値を大幅に上回る濃度で検出されたことを発表しました。最大で指針値の240倍にあたる1リットル当たり12,000ナノグラムが検出され、一部の井戸水は飲用として利用されていました。
調査の経緯と結果
鎌ケ谷市は、柏市内の水路からPFOSおよびPFOAが検出されたことを受け、問題の水路から半径200メートルの範囲にある井戸17カ所の水質を調査しました。その結果、7カ所の井戸から暫定指針値を大幅に上回る濃度(130~12,000ナノグラム)が検出されました。これに対し、市は飲用を控えるよう住民に指導するとともに、汚染源の特定とさらなる調査を進める方針を示しています。
柏市の現状
一方、柏市は市内の井戸84カ所を調査した結果、18カ所から暫定指針値を超えるPFOSおよびPFOAが検出されたと発表しました。最大で暫定指針値の30倍にあたる濃度が確認されました。
調査の経緯と結果
柏市では少なくとも5年前から、隣接する白井市との境界を流れる川でPFOSおよびPFOAが国の暫定目標値を上回って検出されていました。今年3月には海上自衛隊下総航空基地に近い水路の4カ所で暫定目標値の10倍以上の濃度が検出され、4月には周辺の84本の井戸で追加調査が行われました。その結果、18本の井戸から最大で暫定目標値の30倍にあたる濃度のPFOSおよびPFOAが検出されました。
「240倍とか30倍って凄すぎて、そもそも問題ある無しというレベルなんでしょうか。」
汚染の原因と対策
PFOSおよびPFOAは、泡消火剤やコーティング剤などに使用される化合物で、その使用が広範囲にわたるため、汚染源の特定は容易ではありません。柏市の調査によると、海上自衛隊下総航空基地が2020年3月末時点でPFOSを含む消火薬剤を大量に保有していたことが明らかになっています。このことから、同基地が汚染の一因である可能性が示唆されています。
「消火剤ですか…。」
今後の対応と課題
鎌ケ谷市および柏市は、汚染源の特定とともに、周辺地域の井戸水の調査を継続し、住民への周知を徹底する方針です。また、PFOSおよびPFOAの健康への影響が懸念されるため、住民には井戸水の飲用を控えるよう指導が行われています。
さらに、両市は県と連携して、汚染の拡大を防ぐための対策を講じることが求められています。具体的には、汚染源の封じ込めや浄化、さらには法的規制の強化が必要です。
令和6年3月に金山落及びその支流で追加調査を行った際に、一部の水路で高濃度のPFOS及びPFOAが確認されたことから、暫定指針値を超過した水路周辺の井戸を利用して地下水の調査を行いました。
このことについて、調査結果がまとまりましたのでお知らせします。
調査日(採水日)
令和6年4月15日(月曜日)から4月22日(月曜日)まで
調査地点
暫定指針値を超過した水路から概ね200mの範囲(柏市域内)の井戸84本
調査結果
84本中、18本の井戸で暫定指針値の超過が確認され、濃度の範囲は65~1,500ng/Lでした。
千葉県鎌ケ谷市と柏市でのPFOSおよびPFOA汚染問題は、地域住民の健康と環境に重大な影響を及ぼす可能性がある深刻な問題です。両市は、迅速な調査と対策を講じることで、汚染の拡大を防ぎ、住民の安全を確保する必要があります。今後も継続的なモニタリングと、汚染源の特定・除去に向けた努力が求められます。
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「いかがでしたでしょうか。千葉県の井戸水から高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことについて解説しました。」
「はい。よく分かりました。」
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